今夜の空は 月もなく
うす暗闇(くらやみ)の 幕をひく
人目を忍んだ 恋だから
いちばん都合の いい夜ね
おいでおいで おいでおいで 手の鳴る方へ
ふたりのための 夜が来る
湯上り素肌 浴衣(ゆかた)着て
時計の針を 急がせる
扉を細めに 開けながら
見えない影を またさがす
おいでおいで おいでおいで 手の鳴る方へ
逢瀬(おうせ)の夜は みじかいわ
あんたが誰の 男でも
惚れたんだもの かまわない
今夜のわたしは 何になる
一途に闇夜を 舞う蛍
おいでおいで おいでおいで 手の鳴る方へ
ふたりのための 夜が来る