望郷
眠れない夜の向こう 憂いを抱き 問い掛けていた 何処へ行くのだろう その身を案ずるのは 風の音か 友の声か 分からないまま 刻まれる 雨は止み霧が晴れ 薄明 摘み取れない想いは 芽吹いて 陽だまりを 探し歩む 数多の足跡 交わる旅路 いつも其処に 心を生む 手のひらは 何を守り 何を切り捨てた 物語に 残るものは 儚くとも 散りゆく花のように 色褪せた誇りと誓いは 大地に重なって そっと すれ違う記憶に 袖を引かれた気がした 振り向こうとも 影も無し ...
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