まなざしは光
雨降り、小さな傘に身を隠す僕に 薄明かりがひとすじ またひとつ諦める、身体は軽くなる 足元に引いた線の向こうから手を振る人 きみが笑うだけでどうしてこんなにも 過去の自分がほどかれるのだろう この感情には名前があるらしい 心臓がうるさい きみと目があうたび、指が触れあうたび 僕の奥の奥まで見つけてもらえたような気がした 言葉を交わすたび、同じ景色を見るたび 僕を照らしてくれるきみのこと、もっと知りたくなるよ あの入道雲さえ突き破って真っ直ぐ泳ぎ渡ってきた 眩しくて、でもあたたかな きみのまなざしは光だ 傷つくことも、傷つけられることも 足元に引いた線の中で逃げてきたけど 雨降り、小さな傘に身を隠してそぼ濡れていた 僕をそっと暖めるような光がさす 目を細めて見上げた先 ...
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