Tag: 村木弾

北斗七星

子供の写真 眺めては 笑っていたね 無精髭(ぶしょうひげ) 抱きたかったろ その腕で 想い残した シベリアの 無念の友が 語るのか 北斗七星 今日もまたたく 錨(いかり)を抱いて 流氷を 枕にいまも ただ眠る 冷えるだろうな 北洋は 着せてやりたい 綿入れを 凍える友を 照らすのか 北斗七星 今日もまたたく きりりと結ぶ マフラーの 白さが染みた 戦闘機 行(ゆ)きたかったろ 故郷へ 空は続いて いたものを 飛べない友の 星なのか 北斗七星 今日もまたたく

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母さんの海うた

寒い番屋で 火を起こし 指に息かけ 飯(めし)を炊(た)く 頑張る笑顔が 好きでした 母さんあの日の 鼻唄(はなうた)が 聴こえてきますよ 東京(みやこ)まで 今日という日が 良(い)い日なら なんも言うこと ないと言う 母さん気持ちが 分かります 両手を合わせて 父さんの 船待つ姿が 浮かびます 潮の風吹く 砂浜に 背中丸めて 魚干(ほ)す あかぎれ手のひら 気にしない 母さんあの日の 荒れた手を 温(ぬく)めてあげます 夢ん中 母さんあの日の 鼻唄(はなうた)が 聴こえてきますよ 東京(みやこ)まで

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