Tag: 松前ひろ子

漁り火情歌

沖を彩(いろど)る 漁り火が 函館山から 揺れる夜 俺と一緒じゃ 不幸になると なんで哀しい ことを云う 北の女は 情けが深いから ついてゆきます どこまでも つらい浮き世を さまよえば 男も女も 傷だらけ 何も聞かない 昔のことは 今のあなたに 惚れただけ 北の女は 心が熱いから 寒い男に させません 立待岬(みさき)遥かな 漁り火が 故郷(こきょう)と同じと ふと微笑(わら)う いつかおまえと 帰るかなんて ほろり泣かせる ことを云う 北の女は 情けが深いから 命かさねて どこまでも

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波止場で汽笛が鳴く夜は

波止場で汽笛が 鳴く夜は 女心が しくしく痛む この手を冷たく 振りほどき 連絡船に 乗った人 恋は引き潮 別れ波 ひとりしんみり ひとりしんみり 港の酒場 幸せなんかは 続かない 知っていながら 夢見た私 いい事ばかりの 思い出を 数える指が 震えます どこの港で 誰といる 未練ほつれ毛 未練ほつれ毛 酔えないお酒 波止場で汽笛が 鳴く夜は 沖の漁り火 チラチラ揺れる 海は凪(なぎ)でも この胸は 涙が溢(あふ)れ 時化(しけ)になる あんな男と つぶやいて ひとりしんみり ひとりしんみり 夜更けの酒場

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