Tag: たくみ稜

もぬけの殻

挙げ句の果てに愛を置き去りにしたまま あとかたなく消えたよ 夜明け前に あんたは 語ってくれた夢はひどく子供じみて それでも好きになった私がそうバカだね ふざけんなと怒って そのあとで少し泣いて いい恋をしたと呟いて もぬけの殻の心 いまは嘘と負けん気で ねぇ埋めていなきゃ苦しくて ぽかりぽかりと空いた胸に風がしみる こんなにつらくさせて あんたって悪いヤツ 悪いヤツ しらじら明ける空を一人見上げながら そっとくゆらすタバコ 寒くなるね これから せめて優しくされた証拠を探すけど 破るためにもらった約束だけ見つかる どこで何しているの 誰かと一緒にいるの あゝそんな問いをくりかえす 憎ませてもくれずに 私はたぶん死ぬまで ねぇあんたのこと想うのさ ぽかりぽかりと浮かぶ雲のように流れ ...

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涙雨

黒い列の肩先にぽとり 雨粒が模様えがいて あなたとの別れ惜しむみたいに さっきまでは晴れてた空 泣きはじめた ありがとうさえ言わせないまま 静かに消えてゆく そっと唇噛みしめながら 俯(うつむ)けばあなたの手が 優しく背中を叩くように 涙雨 雨 降りだした雨 悲しみで景色を揺らして 頬にこぼれる雨 雨 痛いほどいま もう一度あなたに会いたい 傘の花に見送られながら 好きだった歌が流れる いたずらな瞳まばたかせては 笑いかけてくれるあなた もういないね 青いソファーの右側だけが ずっと寂しいまま これからもまだ続く旅路を ...

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