捨てられない記憶
オーガストはオレに 全てを教えてくれた 生きていく術も『家族』の温もりも 誰よりも大切な家族だったのに オレは彼を守れなかった 「ありがとう」も「さようなら」も伝えられずに 気が付いたらオレは 記憶も大切な家族も 失っていた…… 過去を忘れて『御影密』として生きることが、 オーガストの望んだことだった。 でも……捨てられなかった。そこに『家族』がいたから。 組織にいた過去も 家族との思い出も 全部つながっていて 捨てられない みんなが認めてくれるオレの芝居は 役者・御影密は オーガストがくれたものだから 「過去の全てが今のオレにつながってる。 だからオレは……過去を捨てずに、過去も含めて『御影密』になる。」 「……うん。それでいいと思うよ。」 「密……大切な家族に伝えたいことがあるんじゃないの?」 ...
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