Tag: 北川裕二

女つれづれ

夜(よ)が更けて… 秋風吹いて 身もやせて おんな素肌の 人恋しさよ あなたの体の 熱さが欲しい ないと思えば なお欲しい 女はほろほろ すすり泣く 月冴(さ)えて… 酒ひと肌の ぬくもりは 憎い人さえ 愛(いと)しくさせる いいこと一つで 九(ここの)つ涙 そんな昔も なつかしい 女はしみじみ 酔いたがる 消えそうに… 鳴くこおろぎの 哀しさに 炬燵(こたつ)今年は はや目に欲しい あなたの背中を 追いかけるよに 夢で今夜も 逢いにゆく 女はつれづれ 口紅(べに)をさす

Read moreDetails

人生、秋最中

若き獅子がいて 熱き友がいて ひとりふたりと いなくなり ひとつふたつと 灯(ひ)が消えて あの頃も あの街も 風の中 人生を奮い立たせる そんなものまだありますか 寒空(さむぞら)の荒野に臨んだ あの勇気まだありますか 答えてほしい 人生、秋最中 地味なネクタイを 燃える赤に変え 肩を丸めて 歩く癖 やめて駆け出す 俺がいる 忘れ事 思い出す 風の中 高らかに夢を語った あの場所を覚えてますか 殴り合い椅子を倒した あの店を覚えてますか 答えてほしい 人生、秋最中 今もなお人を愛する ときめきに頬染めますか ...

Read moreDetails