Tag: 原田波人

琴の滝

針でちくりと 刺すように あなたを失くした 胸が痛い ひとり訪ねる 琴の滝 白い飛沫(しぶき)が 弦になる 心は 洗えますか 哀しみは 流せますか あなたを忘れてしまったら 生きる意味がない あの日私は 消えてゆく あなたの背中を 追えなかった ひとりさまよう 琴の滝 頬をすさみの 風が突く 涙は 止まりますか 絶望は 終わりますか あなたと行くなら奈落でも 怖くはなかった 水が流れて ゆくように 過ぎゆく時間は 戻せません ひとり見つめる 琴の滝 響く音色は 清らかで 祈りは 届きますか 淋しさは 埋まりますか ...

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火の鳥

雨のハイウェイ 曇り硝子 吐息を重ねる ミッドナイト 狂おしく キスを交わし あなたに溺れてゆく 熱い瞳に 抱き寄せられたら 生命(いのち)さえも 惜しくない 激しく燃え盛る 炎の渦に この身ゆだねて 切なく尽きそうな 夜空を駆ける 私は火の鳥 愛に生きる鳥 蒼いビロード 罪に濡れて ぬくもり重ねる トワイライト 永遠を 願うふたり 夜明けが 引き裂いてく 愛に逸(はぐ)れて この身が果てても 熱い胸で 蘇る 妖しく揺らめいた 炎の海に 翼広げて 儚く消えそうな 光を手繰る 私は火の鳥 愛に生きる鳥 激しく燃え盛る 炎の渦に この身ゆだねて 切なく尽きそうな 夜空を駆ける ...

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静かな夕暮れ 移ろう季節 あなたのいない街を 切なくさせる 逢えない日々に 紡いだ愛が 私のこの胸 焦がす夜に あぁ あの山を越えて あなたの街へ 夜空を駆ける風になって 届けたい愛を 優しい雨音 運ぶ思い出 旅立つ背中 そっと見送る私 迎えに来ると 絡めた小指 今でも温もり ほどけないの あぁ この海を越えて あなたの胸へ 大地を包む風になって 届けたい愛を あぁ あの星は標(しるべ) あなたを照らす 逢えない夜は風になって 届けたい愛を 届けたい愛を

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異邦人

子供たちが空に向かい 両手をひろげ 鳥や雲や夢までも つかもうとしている その姿は きのうまでの何も知らない私 あなたに この指が届くと信じていた 空と大地が ふれ合う彼方 過去からの旅人を 呼んでる道 あなたにとって私 ただの通りすがり ちょっとふり向いてみただけの 異邦人 市場へ行く人の波に 身体を預け 石だたみの街角を ゆらゆらとさまよう 祈りの声 ひづめの音 歌うようなざわめき 私を置き去りに 過ぎてゆく白い朝 時間旅行が 心の傷を なぜかしら埋めてゆく不思議な道 サヨナラだけの手紙 迷い続けて書き あとは哀しみをもて余す 異邦人 あとは哀しみをもて余す 異邦人

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心凍らせて

あなたの愛だけは 今度の愛だけは 他の男(ひと)とはちがうと 思っていたけど 抱かれるその度に 背中が悲しくて いつか切り出す 別れの言葉が恐くて 心 凍らせて 愛を凍らせて 今がどこへも 行かないように 心 凍らせて 夢を凍らせて 涙の終りに ならないように 綺麗な愛じゃなく 子供の愛じゃなく 生命(いのち)すててもいいほど 慕(おも)っていたけど あなたのその胸は いつでも遠すぎて きっと理想の誰かを 宿して生きてる 心 流されて 愛に流されて 今も想い出 つかまりながら 心 流されて 夢に流されて あなたの右手と はぐれぬように 心 凍らせて 愛を凍らせて 今がどこへも 行かないように 心 凍らせて 夢を凍らせて 涙の終りに ならないように

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22才の別れ

あなたに さようならって 言えるのは 今日だけ 明日になって またあなたの 暖い手に触れたら きっと 言えなくなってしまう そんな気がして 私には 鏡に映った あなたの姿を 見つけられずに 私の目の前にあった 幸せにすがりついてしまった 私の誕生日に 22本のローソクをたて ひとつひとつが みんな君の 人生だねって言って 17本目からは いっしょに火をつけたのが 昨日のことのように 今はただ5年の月日が 永すぎた春と言えるだけです あなたの知らないところへ 嫁いで行く私にとって ひとつだけこんな私の わがまま聞いてくれるなら ...

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おんなの朝

朝が来たのね さよならね 街へ出たなら べつべつね ゆうべあんなに 燃えながら 今朝は知らない 顔をして ああ あなたは 別れて 別れて しまうのね 朝が来たのね さよならね そんなはかない 仲なのね こんどいつ逢う あてもなく 冷えた紅茶を ひとり飲む ああ さみしい 私に 私に もどるのね 朝が来たのね さよならね 思いだしたら 誘ってね 憎いあなたに 泣きながら 夢の名残りを 抱いてゆく ああ 女の涙を 涙を わかってね 涙を わかってね

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ルージュの伝言

あのひとのママに会うために 今、ひとり列車に乗ったの たそがれせまる街並や車の流れ 横目で追い越して あのひとはもう気づくころよ バスルームにルージュの伝言 浮気な恋をはやくあきらめないかぎり 家には帰らない 不安な気持ちを残したまま 街はDing-Dong遠ざかってゆくわ 明日の朝ママから電話で しかってもらうわ My Darling! あのひとはあわててるころよ バスルームにルージュの伝言 てあたりしだい友達にたずねるかしら 私の行く先を 不安な気持ちを残したまま 街はDing-Dong遠ざかってゆくわ 明日の朝ママから電話で ...

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悪女

マリコの部屋へ 電話をかけて 男と遊んでる芝居 続けてきたけれど あのこもわりと 忙しいようで そうそうつきあわせても いられない 土曜でなけりゃ 映画も早い ホテルのロビーも いつまで居られるわけもない 帰れるあての あなたの部屋も 受話器をはずしたままね 話し中 悪女になるなら 月夜はおよしよ 素直になりすぎる 隠しておいた言葉が ほろり こぼれてしまう 「行かないで」 悪女になるなら 裸足で 夜明けの電車で泣いてから 涙ぽろぽろ ぽろぽろ 流れて 涸(か)れてから 女のつけぬ コロンを買って 深夜のサ店の鏡で うなじにつけたなら 夜明けを待って 一番電車 凍えて帰れば わざと捨てゼリフ ...

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見覚えのある レインコート 黄昏の駅で 胸が震えた はやい足どり まぎれもなく 昔愛してた あの人なのね 懐かしさの一歩手前で こみあげる 苦い思い出に 言葉がとても見つからないわ あなたがいなくても こうして 元気で暮らしていることを さり気なく 告げたかったのに‥‥‥ 二年の時が 変えたものは 彼のまなざしと私のこの髪 それぞれに待つ人のもとへ 戻ってゆくのね 気づきもせずに ひとつ隣の車両に乗り うつむく横顔 見ていたら 思わず涙 あふれてきそう 今になってあなたの気持ち 初めてわかるの 痛いほど 私だけ 愛してたことも ...

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セカンドラブ

恋も二度目なら 少しは上手(じょうず)に 愛のメッセージ 伝えたい あなたのセーター 袖口つまんで うつむくだけなんて 帰りたくない そばにいたいの そのひとことが 言えない 抱きあげて つれてって 時間ごと どこかへ 運んでほしい せつなさの スピードは高まって とまどうばかりの私 恋も二度目なら 少しは器用に 甘いささやきに 応(こた)えたい 前髪を少し 直すふりをして うつむくだけなんて 舗道に伸びた あなたの影を 動かぬように 止めたい 抱きあげて 時間ごと 体ごと 私をさらってほしい せつなさが クロスするさよならに 追いかけられるのイヤよ ...

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PRIDE

私は今 南の一つ星を 見上げて誓った どんな時も 微笑みを絶やさずに 歩いて行こうと 貴方を想うと ただせつなくて 涙を流しては 星に願いを 月に祈りを 捧げるためだけに生きてきた だけど今は 貴方への愛こそが 私のプライド やさしさとは 許し合うことを知る 最後の真実 わがままさえ 愛しく思えたなら 本当に幸せ 貴方は私に 自由と孤独を 教えてくれた人 夜が来るたびに無口になって 震える肩を抱きしめていた だけど今は 貴方への愛こそが 私のプライド いつか私も 空を飛べるはず ずっと信じていた 翼があったら飛んでゆくのに 貴方の胸に今すぐにでも 見上げてみて 南の一つ星を 素敵な空でしょう 私は今 貴方への愛だけに 笑って 泣いてる

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悲別~かなしべつ~

人には何故 別れがあるの 深く深く 愛されていたのに 私はもう 誰も愛せない あなただけが 生き甲斐だったから ここは悲別(かなしべつ) 北の悲別 あなたに帰る 汽車は来ないけど この胸の 胸の線路は 今もあなたに 続いています あの幸せ 帰りませんね あなた愛の 終着駅だった 再びまた めぐり逢えるなら 私なにも 望みはしないから ここは悲別 北の悲別 汽笛を鳴らし 汽車は来ないけど 想い出を 走る線路は 今もあの日に 続いています ここは悲別 北の悲別 汽笛を鳴らし 汽車は来ないけど 想い出を 走る線路は 今もあの日に 続いています

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時の流れに身をまかせ

もしも あなたと逢えずにいたら わたしは何を してたでしょうか 平凡だけど 誰かを愛し 普通の暮し してたでしょうか 時の流れに 身をまかせ あなたの色に 染められ 一度の人生それさえ 捨てることもかまわない だから お願い そばに置いてね いまは あなたしか 愛せない もしも あなたに嫌われたなら 明日という日 失してしまうわ 約束なんか いらないけれど 想い出だけじゃ 生きてゆけない 時の流れに 身をまかせ あなたの胸に より添い 綺麗になれたそれだけで いのちさえもいらないわ だから お願い そばに置いてね いまは あなたしか 見えないの 時の流れに 身をまかせ あなたの色に 染められ ...

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生命(いのち)を燃やす 季節は短い まして女の 綺麗な時期(とき)は 夏の夕暮れ 人恋しさに 焦(こ)がれ鳴きする 蜩(せみ)のようです 言葉で愛を 語れたら 手紙に愛を 綴れたら ああ あなた 死んだら涙 流してくれますか 冷たい躰(からだ) 抱きしめてくれますか こんなにあなた 愛しているのに 運命(こい)の垣根が 越えられません 夏の終わりを 惜しんで鳴いて 愛が掠(かす)れた 蜩のようです ふたりで夢を 探せたら こころに夢を 描けたら ああ あなた 見つめることも 叶わぬ恋ですか 忘れることが 真実(ほんとう)の愛ですか 言葉で愛を 語れたら 手紙に愛を 綴れたら ...

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