Tag: 市川由紀乃

ぎゅっと絡めた指と指 振り向きません この先は たとえ朧なこの世でも 決してこのまま離さずに 百もねだるから 逃すものもある なにもいらない あなた以外に ねぇ二人一緒に 一番星を見つけられたら あゝ きりきりきりと 軋むほど 抱いてくれたら それでいい きりきりきりと きりがなく 女に させてくれますか そっと交わした肌と肌 体の芯が震えてる それが儚い逢瀬でも 悔やむことなどなにもない きっと約束は 愛を重くする ...

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夕化粧

眉は三日月 真似て描く 紅には あなたの 好きな色 他にいい女 いると知りつつ 切って切れない 腐れ縁 見ないふりする 嘘に 疲れましたよ 泣かせて 泣かせて どうするの こんなに 泣かせて どうするの 醒めた頬では 嫌われる 虚ろな まなこは 隠しましょ 髪を何度も 直してばかり いっそ束ねず おきますか 心ひとつが 肌に ひどく重たい 泣かせて 泣かせて どうするの こんなに 泣かせて どうするの ...

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オリガミ

あの夜 折った 小さな鶴は はじめて書いた 恋文でした 最後になると 覚悟して こっそり置いた 枕元 飛んでけ 飛んでゆけ 恋心よ あなたの夢の 遠くまで 郵便受けの 一番奥に スペアキーを 返しておいた 涙をしまう ポケットに わたしの鶴が もう一羽 飛んでけ 飛んでゆけ 恋心よ 思い出連れて どこまでも 手櫛で梳いた 冷たい髪に 朝焼けだけが 慰めでした これからちゃんと 生きなさい しおれた鶴に 叱られた 飛んでけ 飛んでゆけ 恋心よ わたしの空の 向こうまで

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