Tag: 柴田淳

〇〇ちゃん

握りつぶした 継ぎ接ぎのお腹と 捻り千切った 顔のついた首が 部屋の隅から 私を見ている 伝えて来ないで 愛され顔のまま 壊れているのに 愛されないのに 両手広げ待ち続ける 可愛い人形 私と似てると 言われたくなくて めちゃくちゃにしてくれるから あげたの あの子に 誰かのことが 苛ついた時こそ 鏡になって 教えてくれてるの 見たくないのは 聞きたくないのは 認めたくない 本当の自分だから 逃げ続けるなら それまでなことも 同じことを繰り返して 知ってる それでも… いつか変われたら 変われるものなら またあの子を繋ぎ合わせ 抱きしめ眠るから

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綺麗なままで

いつかその日が来るまで 逃げ惑う私を許して あなたを忘れる為には それしかなかったの 密かに香る記憶が 立ち昇る湯気に消えてゆく 珈琲に映る私は ほろ苦く笑って 今日も偽るだけ はじめてあなたではない他の誰かと 秘密を作ったの 愛してる 愛してたの 苦しくて 歩き出したくて あの日あなたが 私を置き去りにした日から 私さえ 知らぬ私 変えたのは あなた あの時の いつかその瞳で 私を終わらせて 傷つけるつもりならば 無かったと言えば嘘になる ...

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星の朝露

少しまどろんだ 瞳擦って ペダル踏み込んで 今日がまた始まる 溶けかけた月が涼し気に 風を切る私を見ていた 剥がれ落ちた 夜の星が 朝露に変わる この世の全てを 今ここから描いてく 好きな風景も 出会いもはじめから 私の世界は 私だけのものだから 楽しい出来事も 私の思うまま 悲しみに暮れた 辛い一日 囚われないように どこかに出かけよう 月を探して歩けばいい 彷徨う散歩でもいいから 大丈夫だと 言われたくて 誰かに甘えたっていい 生きているだけで 世界は回り続ける どんな完璧な人にならなくても 私の世界は 私がいるだけでいい 降りしきる雪も 私の想いだけ ...

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喫茶店にて

知らない間に 眠っていた いにしえの歌 レコードの針が奏でる店 手を伸ばせば 届いた恋 振り向けばほら あなたはただ前だけ向いてた あぁ 風のように あぁ 雲のように あなたの傍で 流れる歌口ずさんでた あなたはもう 誰かのもの 甘えたくても この手を差し伸べてはいけない あぁ 雨のように あぁ 雪のように あなたの傍で 囁くような恋をしている あぁ この歌が あぁ 終わるまでは あなたが私だけのものでいてくれたなら あなたが私だけのものでいてくれたなら

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短くて長い詩

それは素晴らしい それは素敵だった 目を閉じればほら 微笑みが溢れて 悲しみの頃も 幸せの朝も それら全てが私を連れてきた あれはいつの日か 愛を見失って この世界にただ 一人取り残され 暮れてく夕日に 見知らぬ誰かに 気付かれぬ私は ただ風になった 記憶を辿れば なぜか溢れてくる 涙がほろりと ありがとうと言うの 辛い想いほど ...

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誰もいない駅

揺れる電車で目を瞑(つむ)れば ほら 君がいた街 はやる胸押さえながら ホームに降りた どこかで君の頬を撫でてきた 柔らかなそよ風が どうかしてる熱った耳元に そっと触れた あの日見上げた空と ふたりで歩いた道 なぞるように 確かめてた アルバム捲るように 薄れていく記憶が 私を呼んでいたの 忘れたくない 大事なもの こっそり 拾いに来た 君がくれたもの それがきっと幸せ過ぎたから 愛しいだけ 君もそうならいいとか 期待してない 電車のダイヤが変わるみたいに 世界線は変わって 通り過ぎる駅で見送るのは 私でいい 変わり続けることは 決して悲しみじゃない 立ち止まらず 振り向かずに 誰かをまた愛して 私を忘れるほど 君など忘れるほどに 今を生きて 満たされたら それでいい ...

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透明な私

隙のないところがまた 今夜も胸を締め付けてくるの 誰にも知られない 女は夢見る あなたとのテラス席 銀色の輝きなら 二人揃って捨てた絆なら まるで扉が開いた鳥籠 なぜ今日も そこに帰るの? 隠し切れない あなたを求めてる想いを 押さえ込んで 飲み込んで 涼しげに 我慢してる 何も言わない 私には気付かないフリして 私よりも 誰よりも あなたこそ 悪い人 愛しても 愛しても …愛してる 「時間を無駄にするだけ」 何度目の声か 聞こえてくるの それでも今は ここに居たいって ...

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知恵の輪

言の葉一つ 私を染めてゆく 時に燃え立つ 紅い炎のよう 形のない柔らかな 心の奥底に 染み込むように 剥がれない何かがある 誰かが囁いてくる 決して許しはしないと 誰かが今も見ている こんな私を 知恵の輪一つ 解けた喜びは 魔法使いになれそうな気がした それはまるで果てしない 答え探しの日々 蝕むように 解けないあなたがいる 誰かが微笑みかける 翳りのあるこの笑みに 誰かが今も見ている そんな私を 誰かが囁いてくる あなたは愛されてると 誰かが今も見ている こんな私を ...

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本当のこと

闇の中 一人彷徨うなら その胸を光らせて 誰の目も 誰彼の笑いも きみを輝かせるよ 抗わず 口を閉じ 教えずに ただ見てて 手放して 欲しかった全てを 既にそこにあるから 羽ばたいた その羽根の波だけ 新しい風が吹く 踏み出した その一歩先には 違う道が待ってる 眠るまで 沈むまで 夢の果てに着くまで 目を閉じて 見えてくるものこそ きみの大切なもの 知らぬ間に 出来た傷はいつか 誰かを助けたもの 幸せも 不幸せも同じ 生きている 奇跡だけ

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月のあさひへ

目覚めてから眠り 朝日 水に沈みゆく 願い続けた もうひとつの 時(とき) 探しに 泳ぎ続けて ひとり 海の底で眠りゆく あなたの名前 抱きしめるの 月 寝顔に 彷徨うの ふたり 手を取り 水面(みなも)に月が届けた「朝」 探し泳ぐの ここではない どこかの国 照らす光 時ゆき 暗闇に消える明日さえ 包んでく 「あさひ」 だからあなただけの 名前 届けに行くわ 月は朝日を浴びて 「おやすみ」と ...

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