Tag: 熊木杏里

小さな部屋

出来る子だって言われて育ったんだ 幼い頃は何だってできた だけど扉を出たら何も出来ない奴になった 行きたかった学校に落ちたくらいと 分かっていても たまらないんだ ぼくを見る家族の顔が前と違う気もして この扉の内側では無敵でいられるのに どうしてだろう ぼくを呼ぶ声は 今も聞こえてくる 明日の風が吹いても もどり道を探してる 太陽が気の毒そうにぼくを照らす ここから出られる夢を もう何度見たか分からない 小さな部屋が去年より 小さくなった 兄弟たちがいない時間に 母とは時々話せるけど 無理して笑ってるのが分かるし 泣いてるのも知ってる テストの時期だとか学園祭のこととか 気になるのに何も出来ずに ...

Read moreDetails

名前のない雨降り

繰り返す日々の悲しさと喜びを 横顔にたずさえて私はいます 食べること 眠ること それが 気がつくと何でもないことのように 思えてしまう 知らないことが何なのか知らない 今日にとって 私は誰でしょうか? 名前のない雨降り 着替えられない心が 体中を纏って 部屋の湿度を上げてく 欲があるから生きていける 今以上 ポストに届く明細も尽きることはない 仕掛けがあるなら教えてください 明日はまだ 私に微笑みますか? 銀色の雨降り 窓ガラスに混ざって 話し声も止んでく 夢みたいに止んでく 繰り返す日々の悲しさと喜びを ...

Read moreDetails

地球から愛はなくならない

明日 世界のどこかで誰かが傷んでいたら その分 ぼくは笑顔で過ごしたいと思う お金の支援もいいけれど 誰もがそうじゃない あなたはあなたの今日を全うすればいい 同じ気持ちになれないのは 違う軸足で立って その悲しみを支え合うためだろう あなたであって ぼくであるから 地球から涙は溢れない あなたがいて ぼくがいるから 地球から愛はなくならない 例えばぼくが傷ついて塞ぎ込んでいても あなたにはきっと笑顔でいて欲しいと思う 小さな歯車が大きな歯車を動かして行くように 自分のことをもったいぶらないで あなたであって ぼくであるから 地球は周り続けている あなたがいて ぼくがいるから 地球は息をしているんだ 神話みたいにさ 語っていくんだ ...

Read moreDetails

働き蟻

もう仕事に行かなくていい朝 いつものように食卓につき 眺めるニュース番組 そう言えばこの時間は出勤途中で 見たことのないアナウンサーの 聞き慣れない話し声 やけに長い午後を 結局家のことで終わらせて 何をしたくて頑張ってきたのかを思う 一年365日の働き蟻の幸せは 自分のために息をすることだと まだ知らずにいるの 休まず歩き続けた 時の跡 肩の荷が降り 強張った顔が 綻んで笑ってる この先の人生をどう生きてゆくのか 初めて想像してる 優しい時間が流れてく いつまで元気でいられるかなんて 誰にも分からないことだから ...

Read moreDetails

牛乳サンキュー

牛乳を飲もうよ 給食の時には 飲めない子もいるよね 変わりに飲んであげて カルシウム リン たんぱく質 体に嬉しいよね 牛乳を飲もうよ 給食の相棒 新しいことが出来るようになるかもしれない スーパーアイドルとか? ラララ ラララ 牛乳を使った 給食もあるよね シチューやババロア おかわりのジャンケン 名前の通りさ 牛さんよ ありがとう 牛乳を飲もうよ あるいは食べようよ 素晴らしいことが出来るようになるかもしれない 神がかったplayとか? ラララ ラララ 牛乳よいつも本当に39~

Read moreDetails

美しかったもの

結んだのは鉢巻ひとつ 繋いだのは街の息吹だ 法被を着ればみんなひとつ 長い蛇にでもなったみたいで どんどんシャン どんどんシャンシャン 空の下で 僕ら踊った 歌の中で何度も もう返らないのかな 美しかったものは あの場所では今でも面影が笑ってる もう返らないのなら 美しかった日々を 忘れないでいるんだって 時代遅れになったんだろうか 有明の月 鄙びた駄菓子屋の匂いも 歩きにくい草の小径も 日が落ちれば味方になって 連れ出してくれるような気がした どんどんシャン どんどんシャンシャン 道の真ん中 僕ら踊った 知らない街のように もう帰れないのかな 美しかった夜に ...

Read moreDetails

雨と海月

もう少し早く出会えてたらって 意味のないことばかりを思う 好きだったことは誰も知らない 知らない 好きと言われたことも知らない 雨の色が哀しいのは 涙に似ているから 人を愛したことで染まるの あの日々には戻れないと分かっているのに何故 記憶の糸を手繰ってしまうの 透明な恋じゃなかったから 海月みたいになりたかったんだ 自分には効かない毒なんていらない 傷つけたいわけじゃなかった 雨に濡れて泣いてみても この声は届かない 街は深海と同じだから 射してはこない太陽なら 追いかけたくないのに 記憶は息をさせたがるだけ 雨の色が哀しいのは 涙に似ているから 人を愛したことで染まるの あの日々には戻れないと分かっているのに何故 記憶の糸を手繰ってしまうの ...

Read moreDetails

一度死んだぼくら

ほんとはね 生きていたいんだよね でも生き方を教わってないんだよね 分かっているよ 変わりたい理由なら もうあるんだって 笑ってる顔じゃなきゃ伝わらない人と どうして分かり合う必要があるんだろうって思う ひとりでいたいけれどひとりには世界は冷たくて やめたくなるよ 何もかも全て どんな場所でも咲く花になんて きっとなれない それでもいいから ここで咲くんだって決めた場所で 綺麗に咲いてみたいんだ ほんとはね 分かってほしいんだよね でも話し方を忘れちゃったんだよね 心の声が聞こえてくる気がして 怖いんだ 希望だと思ってたものが汚すぎてしまった 嫌悪するこっちの方が汚れ物みたい 一度死んだぼくらがこの先で信じられるものは 何だろうって 答えを探してるんだよ ...

Read moreDetails

生きるとは

それは産声をあげることですか? それはミルクを飲むことですか? それは遊ぶことですか? 勉強をすることですか? それは友と過ごすことですか? それは恋をすることですか? それはバイトすることですか? 夢を探すことですか? あなたにとって あなたにとって 生きるとはどんなことですか? それは働くことですか? それはお金持ちになることですか? それは結婚することですか? 親孝行をすることですか? それは父親になることですか? それは母親であることですか? それは男でいることですか? 女でいることですか? あなたにとって あなたにとって 生きるとはどんなことですか? いつの日か良かったと言えるように お節介ですが歌わせてください ...

Read moreDetails