Tag: 鈴木実貴子ズ

生活の柄

歩き疲れては 夜空と陸との 隙間にもぐり込んで 草に埋もれては寝たのです 所かまわず 寝たのです 歩き疲れては 草に埋もれて 寝たのです 歩き疲れ 寝たのですが 眠れないのです 近ごろは眠れない 陸をひいては眠れない 夜空の下では 眠れない ゆり起こされては 眠れない 歩き疲れては 草に埋もれて 寝たのです 歩き疲れ 寝たのですが 眠れないのです そんなぼくの 生活の柄が 夏向きなのでしょうか 寝たかと思うと 寝たかと思うと またも冷気に からかわれて 秋は 秋からは浮浪者のままでは眠れない 秋は 秋からは浮浪者のままでは眠れない 歩き疲れては 夜空と陸との 隙間にもぐり込んで 草に埋もれては寝たのです ...

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春と修羅

あいつをどうやって殺してやろうか 2009年春、どしゃぶりの夜に そんなことばかり考えてた 完全犯罪とかどうでもよくて 金属バットを振りぬく夢 悪意だけが真実の、春の夜の夢 嗚呼、なんかぜんぶめんどくせえ あいつになにがわかるってんだ どうでもいいことばかり気になるから 午前三時にギターを弾いてる のみこんだ言葉は吐き出すような価値はない 2009年春、どしゃぶりの夜に どこかでずっと猫が鳴いてた 富とか名声とかどうでもよくて だれかと心かよわす夢 叫びだしたくなったら、思い出すのさ 嗚呼、なんかぜんぶめんどくせえ あんたになにがわかるってんだ どうでもいいことばかり気になるから 午前三時にギターを弾いてる ...

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かかってこいよバッドエンド

爪を噛んで夜のど真ん中 ほぼほぼ見えたバッドエンド 唇噛んで夜のど真ん中 でも正面衝突その一択 ああ、すべての弱さに ああ、すべての暗闇 ああ、ひねくれ者に右手にスパナでいったろか 正しいばかりで出来てない 美しいばかりも成り立たない 所詮ひとりの生き様さ いくつになっても足掻きたい 正面衝突やったろか バッドエンドにいったろか 右手にスパナでいったろか かかってこいよバッドエンド 爪を噛んで夜のど真ん中 ほぼほぼ見えたバッドエンド 唇噛んで夜のど真ん中 でも正面衝突その一択 正しいばかりじゃ成り立たない 優しいばかりも成り立たない ...

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ベランダ

救世主を待ってるベランダ プランターが目印 ああ ああ ため息よっつ ああ ああ カラスが鳴いた 救世主を待ってる 雨上がり夕暮れ 落っことしたものは 戻らないものばっか 触れないものばっか 善し悪しの線引き誰かの都合 弱者はいつでも裸足で立って 最小の音量で生存を叫ぶ かき消す騒音にも家族がいる 最悪の結末想像ついても 止めれず見過ごす本性を見抜けよ 散々散らかした感情の行方 収拾もつかずちぎれたまんま 雨は あがった 空がひらく 光って綺麗さ 雲が流れて はがれた 裸の宇宙の中で ああ ああ ため息よっつ ああ ああ 突っ立っている ああ ああ 裸足のまま ああ ああ 抜け出せないままさ 救世主を待ってるベランダ 狂ってしまうわこんなんじゃ 待ちぼうけ 救世主を待ってるベランダ ...

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36℃

トレーナー染み込んだ油のにおい これが僕の生活の匂い いけ好かん奴らの聞き飽きたストーリー 耳をふさいでこれも生活 居場所はある、ここにある 心地も悪くないわ、ここにある でも本当の居場所探しています 特別な僕、探しています、って そんなんはねえよ うぬぼれるんじゃねえよ 特別なんてどこにもないさ 僕にしかできないこと、そんなのあったら困るだろ 夢見心地、男には空白 夢見心地、女には現実 特別、そんなものはない 例外あってたまるかよ 所詮36度人間 もがき回り転がり、行き先はひとつ 行き先はひとつだろ 所詮36度人間 もがき回り転がり、行き先はひとつ 例外はないのさ トレーナー染み込んだ油のにおい これが僕の生活の匂い 鋭い言葉切れ味がいいが 逃げ道もそっとここに置いて 替えのきく人間でいいじゃんか 替えのきく仕事でいいじゃんか 僕が僕じゃなくなっても 僕は死ぬまで僕なんだ うぬぼれるんじゃない あきらめるんじゃない ほっぽり出すんじゃない ...

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ヘイヘイユー

風が吹いたら折れる程度の中指ならいらない、いらない、いらないわ そんな中指ならいらない、いらない、いらないわ おとなしく畳んで右のポッケにしまって 忘れないでそのまま もう金輪際出すなよ ヘイヘイユー 握りしめた理想を誰のせいにもしないで守り抜いてくれ ヘイヘイユー 抱え込んだ夢を誰のせいにもしないで守り抜いてくれ ヘイヘイユー 貫いてくれ ヘイヘイユー ぶっちぎってくれ しみったれた歌 飽きるまで歌ってやるんだ 誰にも媚びず、そして誰からも共感されないような 食いしばった奥歯に挟みこんだ生きづらさ 拾い上げた悔しさ 散らかしながらもやってるんだ ヘイヘイユー 沸き上がる怒りを歳のせいにしないで守り抜いてくれ ヘイヘイユー 流れる涙をごまかしたりもしないで輝かせてくれよ、ねえ ヘイヘイユー 貫いてくれ ヘイヘイユー 何のせいにもしないで ヘイヘイユー 信じ切ってくれ ヘイヘイユー その中指はしまわないで

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チャイム

夜の5時のチャイムでバイバイ 夜の5時のチャイムでバイバイ 鉛筆の芯の匂い 教室の机 ニスの剥がれた感じ 上履きのゴムの匂い 藁半紙についたよだれのあと 道路脇 雑草の味 明日の天気この靴で占えるの 一旦帰ろ それからまた遊ぼ ランドセルの中で音を立てる筆箱 夜の5時のチャイムでバイバイ 夜の5時のチャイムでバイバイ 真夏の道路 つぶれたカエル 虫眼鏡で燃やしたたくさんの蟻 泥遊び濡れた砂の感触 カラスが鳴いた手を繋いで帰ろう 夜の5時のチャイムでバイバイ 夜の5時のチャイムでバイバイ 夜の5時のチャイムでバイバイ 夜の5時のチャイムで あー戻れないよな戻れないよな戻れないのは誰のせいなの 分からないよな分からないよな分からないのは誰のせいなのなの 疲れたよ疲れたよ コンクリート 仕事 お金 通帳 携帯 保険 しがらみ 支払い 付き合い 電話 夕焼けが染みる スーツ 飲み会 年金 結婚 介護 扶養家族 税金 手当 借金 家賃 あー ...

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あか

大人になったらさ 忘れてしまうのかな 大きな浴槽で手足を眺める 転んでもないのにさ 涙が出たんだ 傷ひとつないのにさ 痛いって思ったんだ 広い部屋 流れる音は 夕方のニュースと蝉の声 暗い部屋 転がるものは 書きかけの日記と大人の破片 夏の夕暮れ 行きかう人々 拳を握って 見上げた空は 泣いてるみたいだ 叫んでるみたいだ まっすぐこっちを睨んでる 子供だったこと 忘れそうになる 浴槽いっぱいの手足を眺める アパートの一室 空が燃えてる 見えてるここが世界のすべてと思ったんだ 狭い部屋 流れる音は 夕方のニュースとうるさい声 暗い部屋 転がるものは コンビニの水と子供の破片 夏の夕暮れ 行きかう人々 ビールを片手に 見上げた空は 泣いてるみたいだ 叫んでるみたいだ まっすぐこっちを見ている ...

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壊してしまいたい

君の正しさは誰にも伝わらない 君の美学は誰にも理解されない 友達にも恋人にも言えない辛さを持って ひとりぼっちで耐えているんだろう 窮屈を食べて 憂鬱を吐いて 名前のない涙がこぼれる夜は呼んで 壊してしまいたい 君の恐れるものを全部 許してしまいたい 君を全部、君の全部 1ミリだってない 間違いなんてない 望めば僕はいるよ 君のそばにいつもいるよ 戦う君には敵ばっか現れて 本音で話せる人なんていなくなった 歪む 歪む 歪む世間にのまれないように必死なだけだった この部屋 充満するのは腐ったアイデンティティさ 息を止めて夜を凌ぐ いつの間にかひとりぼっちになって 確かにあった手も人も 確かにあったしなやかさ 千切れて 途切れて 何もかもなくなっちゃったみたい 壊してしまいたい 君の恐れるものを全部 許してしまいたい 君を全部、君の全部 1ミリだってない 間違いなんてない 望めば僕はいるよ 君のそばにいつもいるよ

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ベイベー

ポケットに忍ばせた行儀のいい悲しみたちを 暗くなったら時たま広げて安心をもらう 子供のまま大人になった成れの果ての姿が転がる街東京で 睨みつける真正面ショーウィンドウ張りぼてみたいな街 老眼で見えないピントを調整できない老けた正義が立ち尽くす マンホールの下隠れてる 体をなくした夢たちが 下水工事のフリをして本当はみんなで狙ってるんだ ベイベー踊らされてもいいぜ ベイベー惑わされてもいいぜ 今夜イミテーションで繋ぐテンション つぎはぎだらけのモチベーション プラスティックも案外丈夫ね ダンスステップ ダンスステップ ビルとビルの隙間を縫って ダンスステップ ダンスステップ メッキのはがれた自由を片手に ダンスステップ ダンスステップ 踊るようにかわしていこうぜ ダンスステップ ダンスステップ ハリボテだらけも悪くはないぜ ベイベー踊らされてもいいぜ ベイベー惑わされてもいいぜ 今夜イミテーションで繋ぐテンション ...

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私、天使だっけな

生きてるだけで褒めてくれよ 涙なんか流さず夜を越えたい いちいちうるさい頭の中 心のバグが治らない 器用なやつはヘラヘラと スキップしながら過ぎてった 上手にできりゃそれが一番だけど できないやつはどうすりゃいい 上手くはいかないよな ひざは笑うしさ 虚しくもなるよな どうにもならんことばっか わたし天使だっけな 地に足つかない わたし天使だっけな 羽根もないけど わたし天使だっけな 地に足つかない 飛べない、なのに降りれない くだらないよな あっちもこっちも 嫌気が差すよな そっちもこっちも いけ好かないよな、全方位 真剣になっても寒いもんな 歌うことでごまかしている 生きがいという逃げ道 一本道 向き合うこと、逃げている 本当の弱さはここにある 上手くはいかないよな ひざは笑うしさ 虚しくもなるよな どうにもならんよな 上手くはやりたいけど できない僕がいる 虚しくもなるよな どうにもならんことばっか ...

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ファッキンミュージック

しょーもないライブのあのバンドが売れそう 裏で関係者が頑張ってるって聞いた 再生回数は買って夏フェスだって買って憧れの人との対バンだって買ってた コネがあるってのはええよなぁ、って鼻で笑ってはみたが 本当はぶん殴りたい程に環境やシステムに腹がたった こんな夜があと何回 こんな夜があと何回 こんな夜があと何回 こんな夜があと何回 夢見た所はこんな所かウジ虫みたいな奴らがのさばる 冷蔵庫の牛乳一気に飲み干す 虚しくって悔しくってむせただけ 現場にしかない感動はノーカウントさ 大切なものはフレッシュな扱いやすさ パッケージバーコード丁寧に詰めてことごとく表現者は死ぬ こんな夜があと何回 こんな夜があと何回 こんな夜があと何回 こんな夜があと何回 ファッキンミュージック鼓動が鳴るのを聴いた ファッキンミュージック壊してしまえよ 行き場のないこの気持ちを溶かしてくれよ 音楽 細胞がざわつく 命が今燃える ファッキンミュージック誰にも届かなくとも ファッキンミュージックくだらない奴の集まりでも この体ひとつ分を隅から隅まで余す事なく燃やし尽くしてしまいたいのさ ...

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汚れた街で 汚れた歌じゃ 悲しくなるわ 涙も出るわ 汚れた街で 汚れた歌じゃ 涙も出るわ 涙になるわ ノイズの向こう 広がるネオン てっぺんから爪先 量産されたクローン 目立ちたいだけの自己愛が 自由と暴力をはき違えています プライド太りの醜いおっさん 節穴だらけのモブ、モブ、モブ さもしい感性じゃ足しにもならんわ 空腹、うろつく夜光虫 隅っこで空を睨んでる カラスとおんなじ目をしながら 隅っこで空を睨んでる カラスとおんなじ目をしながら 夜明けはいつでも この街を照らす 間違いだらけをなだめるように 暁を待って 暁を待って 暁を待って 暁を待って 汚れた声で 汚れた歌じゃ 悲しくなるわ 涙も出るわ 再生方法は不明 完全崩壊の寸前 腐った果実のような心臓この街溢れていて 路地裏キャットも降参 守れるものはひとつ カビが生えて、腐りかけて それでもこれは僕の心臓 暁を待って 暁を待って 暁を待って 暁を待って 夜明けはいつでも この街を照らす ...

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違和感と窮屈

本当に大事なこと、言葉にはしない 本当に大事なこと、簡単には伝わらない 本当に大事な人、離れたりしない 本当に大事なもの、壊れたりしない 溢れるイカサマみたいな友情と愛情 安売りみたいな絆と永遠 真似事みたいな情熱と感動 染まるなよ、ああ イカサマみたいな最高や最強 安売りみたいな笑顔と絶望 真似事みたいな情熱と感情 吐き気がするぜ 馴染めぬ夜 違和感と窮屈、ああ 本当に大事なこと、数分には収まらない 本当に大事なとこ、簡単には見せられない 本当に大事な気持ち、薄まったりはしない 本当に守るべきは自分でいい 溢れる安売りみたいな美学と偽善 押し売りみたい優しさと正論 決めつけられた自由と孤独 真似事みたい家族と生活 イカサマみたいな平等と法律 ...

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