Tag: 鳥羽一郎

長谷寺の雨

しぐれの雨に 打たれる牡丹 遅咲きを 恥じらうか 三百と九十九段の 登廊(のぼりろう) 忘れよう それがいいんだ それが 好きでいるからこそ 終わらせる 法螺貝(ほらがい)が 胸をえぐるよ あの日のことは 運命(うんめい)だった こんなにも 苦しむか 舞台からはるか彼方は 墨流し 忘れよう それがいいんだ それが 夢にするしかない 二人だよ 気の弱さ 笑いとばせよ しぐれの雨が 屋根から落ちる トレンチに 沁みこむか あの人も きっと不幸のままでいる 忘れよう それがいいんだ それが 誰のせいでもなく 俺にある 思い出は 捨てはしないよ

Read moreDetails

朋輩よ

お天道様(てんとうさま)みたいな 柄ではないが せめてこの世の 片隅(かたすみ)を 照らす男でありたいと お前が笑う 笑う数だけ 酒が空く 男でいようぜ 死ぬまで男 なあ 朋輩よ 黙って泣いてこらえた 未練な恋も 逢って詫びたい あの女(ひと)も どれも俺(おい)らの人生と 俺(おい)らが笑う 笑う背中に 酒が舞う 男でいようぜ まだまだ男 なあ 朋輩よ 雨風吹き荒れても 前だけ向いて 越えた時代を 振りかえりゃ 華も我慢も勲章と お前が笑う 笑うその瞳が 潤(うる)んでる 男でいようぜ 死ぬまで男 なあ 朋輩よ

Read moreDetails