空蝉に鳴る
滲む空模様 黄昏 誘うほど溶け合い 生まれ出づる心音 淡く灯らせる 命が謳う現世の祈り 憂楽は徒然に 帳のなか ゆらり 揺れる 空蝉に轟く鼓動を 響かせ合うように 手繰り寄せた 絡み合う糸で 綴れ織る心を抱いて 胸焦がれるほどに強く 願うは守り手の夢 固く結ぶ繋ぎ目 解けぬほど重ねて 眼に見えぬ絆で浸せば 天命さえも畏れることは無いと知って 癒えぬ傷痕 心に根差す陰支えど 螺旋に呑まれたまま 夢と現の隙間を満たす光の礫 憂愁の運命から 掬う掌 ふわり 触れて 縋る手に棚曳く希望を 引き寄せ合う慕情 闇を駆けて 辿り着くまで ...
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