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火花

夕暮れの空に並んだぼやけた灯りが 遠くへ人混みをゆっくりと誘って いつもより狭い歩幅の隣にある 小さなその頬も染めた気がした もうあと少し 弾ませた吐息が 急かしているようにそっと胸を駆け抜ける 高く見上げた鮮やかな光の雨が 熱く心を燃やしているこの火花が 綺麗だ、って溢れて風に漂う声が もう戻らない夏に咲いた ただ心はそれを見てた 奏で合うように交わした言葉が響いて 呼吸をするほどにこの胸をなぞって 薄暗い夜道を照らす月明かりのように 優しい静けさで僕に残ってる もうあと少し 長く背を伸ばした ふたつの影がそっと夜に墜ちていく 高く見上げた花に差すその眼差しも 熱く目蓋を焦がしているその涙も 綺麗ね、って言葉も 聞き逃さないように ...

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最終回

一つ二つ重ねて幾度筆を折り 三つ四つと数えて咲かすなら道化の華 嫌い 嫌い 嫌い 破り捨てたい 誰彼構わず 痛い 辛い 寒い まだまだ昼過ぎまで寝ていたい 「こんなところが素敵です。」 「どこに出しても恥ずかしくないです。」 なんて この頭上を右往左往 激しく虫唾が走る これで最終回 未来なんてきっと無いようなもんじゃない? 「右向け、右」 「待て」 飼い慣らされた無機的健康体 これこそ大正解!みたいなもんだってよくあるパターンじゃない? 見極めて、その両目を見開いて 嫌い 嫌い 嫌い どこまでも理解不能 愛せない あゝ諸行無常 散りゆく運命に見惚れていたい 愛されたいなァ満たされたいなァ 値踏みされた心が痛いなァ この芸術の価値なんて何もわからないくせに これが最終回 「未来」なんてそんなたいそうなもんじゃない 反吐塗れの底 横たわるのが牙の抜けた僕だ 気付けば大惨敗 既にして最早 賭けるようなものもない 近寄るな危険 依然、往く道などない ...

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