Tag: Tele

シャドウワークス

10時半に寒気がして 5分後に飛び起きました。 もうとっくにもぬけのからに変わった集積所。 手を引いて帰りたがった園児の母は泣きました。 予鈴の残響が重なり響いた。 無関心な、ままならん、 僕たちはカサンドラ。 15分遅れの電車に乗り込み目を閉じました。 1000年後にゃ骨もなくって 名前すら残らぬ阿呆に労働の在り方を説かれちまった。 同様に僕の書く音楽も、恋人に投げかけた言葉すら、 1000年経ちゃヘドロにすらなれなくて 不安なんだ、全てが。 僕たちはカサンドラ 無関心なまま、 ただそれでも僕らは願った。 下手くそな影法師、僕たち光に追いつけない。 また陽が地面に押し付ける 影法師、何かにならないと 居場所ないからさ ...

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サイン

「私の先入観のルールには 一つ一つあなたのサインが書いてて 時々思い出さなくていい時に その線をなぞってみるの。」 綺麗だった、鰭みたいな、 あなたの筆先のアイデンティティを 全部ちょうだい? 綺麗だった。 ずっと、綺麗だった。 ねぇどう 「私の前日譚のヒーローなら、 仮面をゴミ処理場の裏に捨てたわ。 今頃、ハイタッチで茶濁して アレルギーが出るような声で笑うんでしょう、」 僕ら奪って、泣いて、何になんだろう。 印を付け合って、妬んで、何を待ってたの? 日々を破く程、強く線を引いた。 綺麗だった。 「あなたの先入観のルールには、 今でもわたしのサインがまだありますか?」 ...

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あくび

あくびの仕方があなたによく似てしまったから今は、 これを愛だと呼んでしまうと思った。 ひび割れたネイルも、着膨れたニットの毛玉とか全部、 僕だけに見せるのが嬉しくて、虚しいの。 情熱に値札を、 少年に生きた挫折を。 当面の間は独りで散歩もいけやしないな。 ねえ、きっと君は忘れてしまうだろう。 君は忘れてしまうだろう。 だから、思い出さないで。 あゝ、夜明けに淹れた微温い珈琲も、 投げつけあった花束も、どこにも無くって。 朝焼けだけが眩しい部屋で、 まだ僕は恋を待ってる。 宅配の音がようやく訪れた夜を鋭く奪って、 火傷しそうな熱さの紅茶を、無様に啜った。 幸福に順序を、 生活に秘めた理由を。 もうちょっと経ったら夢も醒めてくれるだろう。 ねえ、きっと君は笑えてしまうだろう。 ...

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ひび

優しさに形があるなら、 それはあなたを介した何かだ。 誰も答えを知らない問いのさ、 解説本で棚が埋まってた。 羽田行きの電車が動きだす。 閑散とした車内、日が満たす。 ガラスがくすみ外は見えないな。 そんな事を誰も気にしていなかった。 枯れた未来にお湯を注ごう。 皺に許しを、 ひびには愛を。 爛れた指でなぞる暮らしを抱きしめた時、 張り裂けたエゴ。 Y字を過ぎ振り返ると、 涎垂らし侘しい、あの嘘。 正しさに舵を取らせたら、 それはあなたを割いて消えました。 誰も答えの知らない問いをさ、 考える事にまた逃げている。 羽田行きの電車が止まります。 ...

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砂漠の舟

ねえ、依存心だって許してよ一等星。 もっと触れてよ。 ねえ、理想論だって資本に飲まれちゃって もう痛えよ。 ガラクタ、ほら並べ。 はためく布はずっと前に涙を吸わなくなった。 彼方へ、 掻きむしったせいでまた 君が頭からこぼれ落ちた。 ねえ、孤独はずっと暈した混声で 嘘を抱きしめろ。 だから、騒げ。 誰かの地獄じゃ 声は、風に。 涙を拭い去るようさ。 彼方へ、掻きむしってしまえばいい。 腑のような温もりを、待っていた。 いつかぼくのままで海に会えたら いつかぼくのままで海に会えたら 許し合えたら ...

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ぱらいそ

光が見えなくなって 言い聞かせる、 オーライ、眠い目を擦った。 何にもなれないままで進む。 満員電車の片隅で抱き抱えた バックパックと仄暗い空。 誰だか知らない、知ることもないけど 押しつぶすんなら中身くらい愛せよ。 あらゆる倫理は優しさを無視して 僕ら運び出す、何が楽園だ。 這いずる意識が踊りだした。 春夜に戦ぐ風さえも。 光が見えなくなって 言い聞かせる、まだ僕は大丈夫。 張り詰めた糸を渡る まともさを讃えるなら抱きしめてください。 喪服姿の壮年が 立ち尽くした、ペットショップ前、30秒。 代わりなどないよ、頭でならわかることばかりだ。 平等、平等とシロップを垂らされて ...

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DNA

終末を僕たちはスキップしてさ。 差分違いの今日を生きた、枯れ果てちまったトーキョー。 順番を待っていた自由の切符は、矛盾以外残んなかった。 ふたりぽっち踊っていた。 ねえ、涙、何故か噛みつき合う僕ら、いっそ歯形で憶えあって。 誰が見ても先のない屋上で、愛を語っていた。 DNA運んでゆけ、僕ら頭の先まで無我夢中。 DNA運んでゆけ、どこからどこへゆこうがシステム。 そうさ、今、忘れちゃう前に 全部、思い出しといたよ。 最後に僕に縫い付ける。 僕に縫い付けたそれは、 遺伝子を全部塗り替える。 僕に縫い付ける。 僕に縫い付けたそれは、 記憶も、記録も、書き換えてしまうような鼓動。 なんで僕ら生まれ落ちて、 ねえ、なんで僕らつがいあって、 ねえ、なんでこんな言葉なんて要らなかったよ。 要らなかったよ。 ...

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ブルーシフト

全部、 ブルーになる。 ブルーになる。 ブルーになる、その瞬間。 ねえ、 ブルーになる。 ブルーになる。 ブルーになる、はずだった。 ブルーになる。 ブルーになる。 ブルーになる、その瞬間。 ねえ、 ブルーになる。 ブルーになる。 ブルーになる。 わかってゆく。 首筋についた昨日の残骸。 滲んでゆく。 大人びたまんまの子どもたちは、 踊り足りない。 ...

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