このまま、海まで
いま通り過ぎた交差点を 曲がれば海だと看板が告げる そんな気配もなく あたし土地勘もなく ただ取りこぼした夢のように 車酔いのふりして 窓にもたれている 戻ろうよなんて、子供みたいに 駄々をこねている あんまりに情けなく それでも口をつく 涙のように 溢れるように 子供の頃なんてべつに知らないけれど いま少しイメージが見えるよ このまま海まで 連れてって いま通過中の低気圧を まるで仇みたく恨んでいる 季節外れのあたしたちは 自分で来たのに取り残されたよう ...
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