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椿

だんだん 白く儚くなる瞳の奥 どれだけの喜びと悲しみが刻まれているのでしょう だんだん 弱っていく体とは裏腹に きっと心は私よりも強いから 会うたびに私も生きる意味を探すの 今日ここで見つけた想いはいくつありましたか? 今日も明日も明後日も 同じ場所で同じ風 ばあちゃんの樹が伸びちゃって その木陰が守ってくれる春 「元気で長生きしてね」とはもう言いません でもね もうすぐあなたと観れそうな夢があるの 椿の花びら落ちるまで 何度会えるだろう 丸い背中 空の色を教えて 初めて母を抱いた日の 私は摩子じゃないんだよ、寂しいわけじゃない きっと 名前すら忘れちゃうのに 振り絞った力で吐く言葉 「曲、お前の曲...」 それだけを覚えていたんだ カーテン越しに泣く ずっと側で追いかけていたなんて 「あと10年は好きなことをさせてやれ」と母に叱り “6/21嬉しい日だ。よく頑張った!”の太い文字 そんなの今更知ったって どんな音に変えて返せばいい? 10年もひとりで生きた手が こんなに小さくて優しいなんて ...

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夜行バス

夜行バス 「また会おうね」 ひとり窓際 魔法が解けたようだ 朝焼けの空に聴いた パパが好きだったラブソング 忘れたくないからラブソング 「遠くていいから側に居て」 言えるわけなくて ずっと待ってた そんな場所 もうすぐ溢れる“想い”を迎えにくるのね ギリギリまで かばんに詰め込んで 違ってみえるいつもの道 交差点の赤を灯して だんだん霞んで らしくない僕はもうすぐ街を出る きっと知ってた ねぇそうだろう? わからないままで未来の色を決めたこと 西の空に 未練溶かす横顔 また隣を歩けるまで 次の春もここで繋げるように きっと 大丈夫 大丈夫 夜行バス 「また会おうね」 ひとり窓際 魔法が解けたようだ 朝焼けの空に聴いた パパが好きだったラブソング 忘れたくないからラブソング どうしてこんなに遥か遠く 夢を見つけたの? ...

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