Tag: あさみちゆき

白い花飾って

悲しいことが 続くから 今夜は熱燗 厄落とし 白い花など 飾ってさ ひとり しみじみ 酔いしれる 古いレコード 聴きながら 酔いにまかせて 口ずさむ 過ぎた時代を 懐かしみ 夜半(よわ)の雨さえ 愛おしい ああ 女であることが 鬱陶しくなる たかが 男と うそぶいたって ああ 心は闇に 落ちて行くようで 悩ましいのよ 春の宵 恋に溺れた 若き日の 濡れた瞳に 映る影 あのひと好きな 白い花 苦い思い出 行き過ぎる 誰かを泣かす 恋をして 他人(ひと)も羨む 仲だった そして誰かに 泣かされて 漏らすため息 花も散る ...

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初雪

昨日 初雪が 降りました こちらは もう冬支度です あなたと 別れて 二度目の冬を 愛しさ 堪(こら)えて 迎えます 二時間もあれば 逢いに行けるのに ふたりの距離は 遠くなるばかり 十年あまりの 東京暮らし あなたに逢えて しあわせでした 今はただ 残り少ない 母の人生に 寄りそって いたいのです あゝ 今は… 季節は 駆け足で 過ぎて行き すべては もう昔のようです あなたの 思いに 添えなかったこと 時折り 心が 痛みます 父が逝き二年 気落ちした母を 北国にひとり 放っておけなかった ささやかですが 野菜をつくり 母の笑顔に 救われてます 今はただ 残り少ない 母の人生を ...

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