Tag: 小川たける

夢の破片

やるせない夜の 風は冷たくて ネオン避け 家路に急ぐ 誰にも会わないように 都会の隙間に 隠れて夢を見てる 独り言届かない 哀れな男の心 吹き溜まりの場所に 想いを掻き集め 遠吠えも空しく 今は苦しいけど 夢の破片を 這いつくばってでも 拾い集めて 輝かせてみせる やれる やれる まだやれる やれる やれる まだやれる (何度でも) やれる やれる まだやれる 灯りをつけずに 部屋でうずくまる 本当の夢も語れず 暗闇で一人もがく 故郷(ふるさと)を思えば 胸が熱くなる 帰りたい帰れない 半端な男のドラマ どこへもゆけぬまま 想いは募るだけ それでも立ち上がり 闇の中を進む 夢の破片は きっとあるはず 月よ照らせよ 俺のいく明日(あした)を やれる やれる まだやれる ...

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蓮華草

あなたと生きるとおまえは言った しがない店に嫁ぐと決めて 根無し草の俺に誓ってくれた 知らぬ客にも話し合わせて 蓮華草 蓮華草 健気(けなげ)な笑顔 路地裏暗がり 灯りがひとつ おまえと生きるとあなたは言った 古傷いまだ癒えないままの 帰る場所ないわたしを 抱きしめたまま 寡黙(かもく)だけれど やさしい笑顔 ヤマツバキ ヤマツバキ 一途に生きる あなたの傍に いつでもいたい あれから幾歳(いくとせ)二人が生きて 擦(す)れたのれんをくぐるたびに 着物姿のお前が しあわせ運ぶ いまもかわらず笑顔咲かせる 蓮華草 蓮華草 愛しいおまえ これからも変わらず ふたりでいよう

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古い街の小さな恋

ふたりで暮らした街を往く 隣のあなたはもういない 貧しいふたりは身を寄せ支え合って生きた 「あなたがいればいい」 望むものはない 戻りたい あの日 ふたりが出逢ったクーポラも 想い出の小さな花屋も あなたがいなければ 僕はこのままじゃ 消えてしまいそう 噂が街から消えそうで あなたの香りは離れない 「あの子はどうしているのか」 聞かれてうつむく 何事もないように 時は流れゆく 戻りたい あの日 活気づくポンテヴェッキオで 安物の指輪を買ったね ふたりの誓いは 古いこの街で 消えてしまったの ふたりが出逢ったクーポラも 想い出の小さな花屋も ...

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