Tag: 空大樹

船見坂

番屋の並ぶ 海岸(うみ)通り 夕陽落ちて 天(そら)焦がす 明かり灯(とも)る 板張り飯屋 あのころ流行(はや)りの 歌を聴く 男は過去(むかし)で 酒を飲み 女は未来(あした)の 酒を酌む 夜霧が濡らす 石畳 港 小樽 船見坂 カモメが騒ぎ 起こされる 運河通りの 安宿で 沖航(わた)る船 石狩の浜 夢はかげろう ニシン船 男は過去(むかし)の 海眺め 女は未来(あした)の 海を見る 色あせた 絵葉書に 港 小樽 船見坂 連れて逃げた 北の果て 過ぎた月日 重ね着を 坂の途中 立ち止まる 振り返れば 船が出る ...

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愛のスペアキー

震えるグラスに そそいだ愛が 今も私を 縛っているわ 窓の外には 白い夜景が 切なさこぼれる カウンター 時計気にする 仕草今でも 心に涙を つれてくるのよ 私に鍵を かけたのあなた ねぇまた此処(ここ)に 戻ってきてよ 頬杖(ほおづえ)女の ひとり呑み 吸えないタバコの 煙でさえも 今は私が 欲しがっているわ あなた今頃 何処(どこ)で何をして 逢いたい 逢えない 寂しいよ お店のJAZZに 夜の帷(とばり)が 音に紛れて 下りて濡らすの 私の鍵を 解いてよあなた ねぇもう此処(ここ)に 戻れないなら 彷徨(さまよ)う女の ひとり泣き 愛に隠れて こぼれた夜に あなたはどうして 嘘をついたの ...

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