あの夜 折った 小さな鶴は
はじめて書いた 恋文でした
最後になると 覚悟して
こっそり置いた 枕元
飛んでけ 飛んでゆけ 恋心よ
あなたの夢の 遠くまで
郵便受けの 一番奥に
スペアキーを 返しておいた
涙をしまう ポケットに
わたしの鶴が もう一羽
飛んでけ 飛んでゆけ 恋心よ
思い出連れて どこまでも
手櫛で梳いた 冷たい髪に
朝焼けだけが 慰めでした
これからちゃんと 生きなさい
しおれた鶴に 叱られた
飛んでけ 飛んでゆけ 恋心よ
わたしの空の 向こうまで