忘れないから
君も忘れないでいて
淡墨桜が咲き誇る束の間
色づいた君の頬を撫でる夜の風
「花が散る前に見に行こうよ」なんてさ
本当は君の隣にただいたいだけ
戯れる小道つまずく君
掴んだ手と目が合い弾けだす胸
すかさず逸らす視線
これが最後なんて言えないまま
忘れないから
君も忘れないでいて
ただまだ願ってた
このまま桜散らず僕らふたりの時間が
続くように
この街を出ていくと
告げたい本音と
裏腹にこのまま変わらないふたりで
1秒でも長く花が散るよりも長く
願えば願うほどまだ言えない「ありがとう」
また明日ねって繕う僕の足元に
散らばる昨日までの日々
明日はもう会えない
わかってるくせにさ
また嘘ついてしまうのは
君を泣かせたくないから
離れちゃうならいっそ忘れてしまえば
嫌だまだ迷ってた
黙り込んだ僕に差し出した手の震えで
君も同じだと気づいた言わなきゃ
わかってたんだね
もう君も
桜祭りはしゃぐ人波
灯籠が導いていた
先に待つ別れに一歩踏み出す度
足がすくむ
ただ笑って(馬鹿になって)
たまに泣いて(拗ねたりもして)
夏も秋も冬もこの場所で
君と会って話がしたかった
君がいない遠いどっかで
今みたいに笑えるのかな
今になってさ
あの時一秒一瞬を悔やんでも
変わらないから
花が散るように思い出は薄れても
忘れないから
いつだって季節が巡るたび思い出す
まだ忘れないから
胸の中のサクラにずっとトリップしていたい
消えぬように