誰かが祈ってる
朝方の夢のあと
そなう花は白い
ひとひらのレシートに
読み取れたやさしさを
辿って何処へ行くんだろう
きみのいる世界を「好き」って
ぼくは思っているよ
蓮の葉ゆらす風の中で
誰かが祈ってる
人波をせき止めて
煙が立ち上がる
わけなど知らないが
ただ事と思えない
心が逆剥けるほど
きみのいる世界を「好き」って
ぼくは思っているよ
昔とちがう風の中で
深く 深く 深くに
根を伸ばしてゆく
遠くで雷が光る
パンにジャムを塗る手が止まる
芽を出さなかったつぶつぶ
ふつふつと語り出す
「あせるなよ」「せかすなよ」
暦が変わったらもう一度
あのお堂に立ってみよう
今度こそへっちゃら