Tag: 折坂悠太

たこぶつ

そちらのあなただけ 教えてあげる 明日のおひさまは 私がここから見るに ピンクです ピンクです ここから見るに たこぶつ 梅水晶 飲み屋の煙 目頭しみて ちょぎれた 涙の色は ピンクです ピンクです また北綾瀬 私賛成 諸手を挙げて いろいろ言ったけど やっぱり ここから見るに ピンクです ピンクです

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トランポリン

トランポリン トランポリン 君が飛んだ高さに トランポリン トランポリン 誰も届かなかった 時々そうして天井に 指が触れる奴がいる そうだよ ほら もう一度 見せて そら もう一度 高く トランポリン トランポリン みんな驚いてるよ トランポリン トランポリン 声も出せないほどに こうしたちょっとの静寂が くすぐったくてこの星は 回るんだろう ほら もう一度 妙だね そら もう一度 ...

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友達

本当はどうだった 適当に言わないで 二度ともう会わずとも 俺らは友達 陽の光を今日も浴びてない それなのに妙に元気 陽の光を今日も浴びてない それなのに妙に元気 本当は無理だった ハチ公に言わないで 二度寝から三度寝まで 俺らは床なし 陽の光を今日も浴びてない それなのに妙に元気 陽の光を今日も浴びてない それなのに妙に元気 陽の光を今日も浴びてない それなのに妙に 妙に 陽の光を今日も浴びてない それなのに妙に元気 ...

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あけぼの(2023)

山並み あけぼの 手紙一つもよこさずに 今日になって 急に会いたくなった と 熱燗 吸い殻 煙の奥の瞬きが 今日になって 急に恋しくなった と あの頃は あって無いような物 探して 俺たちは 閉まるドア 笑って 笑って 今も変わらず 望む空は青い 隠されて 凍えそう (磨りガラス はあと 恋は死に場所を探さずに 今日になって しんと冷たくなっていた) 明くる日の ナイトメア ナイトメアに 君の後ろ髪が 振り向かず わかってる わかってる 今も変わらず 浮かぶ空は青い あと少し とどかない あかぎれ 冷や水 溶け出す春の音するよ 今日になって やっと会いたくなった と

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夜香木

夜香木の花が咲いて アパートを更新しなかった 君は窓の辺に腰掛けて この辺りは季節がないと 夜香木の花が咲いて 知人づてに車売りました 長い距離を 最後だからと 走り抜けたその帰り道 夜香木の花が咲きました 夜香木の花が咲きました

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手紙は手紙 誰に届くまでもなく 火星は火星 誰か降り立つまでもなく 大した事の無さにおれは息をする 就職したよNASA に 友達のダチのダチ あたらしい舟が 凪々と浮かんでる 難しい言葉で話しすぎた 誰もが夢のあと みんなの話題のぼる その人知らない 思い出口をつたい変わりゆくシルエット 確かな事の無さにおれの腹がなる 封を解く弁当箱に 昔が海苔を巻かれてる 浮かぶ舟は 凪々と 落書きの言葉で遊びすぎた 子供は夢のあと 手紙は手紙 誰に届くまでもなく 涙は涙 量を測るまでもなく

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正気

「あれにそういう意味があり ひいてはこういう意図があり」 そんな話はしていない 私は本気です 「あれはそういう仲であり あくまで功罪あるんだが」 そんな話は聞いてない 私もここに居るんです 鍋に立てかけたお玉の 取っ手のプラが溶けていく パチンと出所のしれぬ音 夕方のニュースです 「あれはこんなに恐ろしく ついには君もわからない」 そんな話はしていない 私は本気です 戦争しないです

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努努

子鹿の行方を 努努忘れなかれ 言わなかった出来事を 努努忘れなかれ とぐろは動かず 渦波 流れ 流れ 蛇の目にあらましを 努努忘れなかれ 回りに回って 手渡された蛙 その手の働きを 努努忘れなかれ 毒 毒 口にゃ合わぬ 痺れましょう ゆめ ゆめ 口にゃ出せぬ そして歌おう うん べれ びんば うば うん べれ びんば うば うん べれ びんば うば うん べれ びんば うば

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無言

いつか言ったことは嘘だ 君は何処へだって行ける ここは誰もいない通り いつも息をしてた通り 好きな 名も知らない絵の 名を調べた時に それが「悲しみ」だと知って 君に手紙を書いている 悪い事がまた 起きる時のために 手紙を書いている 悪い事がまた 起きる時のために 悪い事がまた この日々に 起きる時のために 手紙を書いている それが「悲しみ」だと知って 何処へだって行ける 誰もいない通り ...

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ハチス

誰かが祈ってる 朝方の夢のあと そなう花は白い ひとひらのレシートに 読み取れたやさしさを 辿って何処へ行くんだろう きみのいる世界を「好き」って ぼくは思っているよ 蓮の葉ゆらす風の中で 誰かが祈ってる 人波をせき止めて 煙が立ち上がる わけなど知らないが ただ事と思えない 心が逆剥けるほど きみのいる世界を「好き」って ぼくは思っているよ 昔とちがう風の中で 深く 深く 深くに 根を伸ばしてゆく ...

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