歩く 歩き回る
喧噪が遠くで囁いた
歩く 歩き回る
溢れそうな何かが溢れている
歩き 歩き回り
幻想を睨み放り投げた
何も感じぬように
ただひたすらに
俯き佇む街灯が
足元を弱く照らす
そっと消えるように呟く
貴方もひとりなの?
痛いくらいに突き刺す風が誘う
たった一つの輪郭に
重ねるたび街に溶ける
選ばれなかった生き様を。
並行世界を望むような
誤魔化しきれない隙間に
また落ちていく
行き着く先も解らず
書き留めたい言葉の束が
指先を動かすままに
また走り出す
いつかの芽生えを願って
走る 走り抜ける
弾けそうな鼓動と人模様
今は心地よい
歩道橋の上で足を止めた
2種類の涙を持ち寄って
薄め合う日々だ
あの時あの場所 戻れたら
何か変わるのかな
空に亀裂が走っている
差す光には幸せが
きっと詰まっている
痛いくらいに突き刺す風が誘う
たった一つの輪郭に
歌声さえ街に溶ける
息遣いだけが木霊する。
並行世界を望むような
誤魔化しきれない隙間に
また溺れていく
行き着く先を求めて
書き留めたい言葉の束が
指先を動かすままに
また呑まれていく
いつかの芽生えを願い
また呑まれていく
いつか晴れるのを願って