白鳥の湖を遠い所で踊っていたね
わずかな微笑みを残して
重なり合う山の稜線のように
記憶には壁がない
私には夢がない
夜が静かな町で別れて
一つ忘れ物をしたね
とても恥ずかしい匂いのする物
探しているのかい
まだ守っているよ
ここにあるよ
ほだす青春のすきま風
優しい火を体に灯す、そう、野望の風さ
浴びて飛び降りたい午後の島
……そして見た、確かに見たのさ!
ここで読者がのたうち回るのを!
……ふと思い返してみては
まるでリングワンデルングな必要に駆られ
あれは人生だった、と
聖なる季節だ、と
愚かなる若者たちはまだ踊っているよ