Tag: 吉澤嘉代子

たそかれ

鎮座する黄昏はみそらを持余し 対岸で狂えどもとこしえの星砂 鞄に閉籠たはずの 屍が静かに暴れだす 私の影に隠れているのは 忘れかけていたあの日の声 散らばる鍵を見つけてくれるなら 壱度切りの和了りも捨てて 今更に孤独が優しいよ 狭間では誰もが口無でしょう 七宝を猫糞も未だ手持ち無沙汰 大禍に御出ましよ貴賤の天邪鬼 嘲笑う通り雨に 血濡れの花がちるぞえな 貴方の影に隠れているのは 忘れようとしたあの日の嘘 散らばる鍵を見つけてあげるから 壱度切りの如何様も許して 今更に孤独が優しいよ 狭間では誰もが口無でしょう ...

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舞台

彼方の水平線から遊火がらんらんと近くなってゆく 意識の境界線から白波がさんさんと砂になってゆく 幕があがったなら満ち潮が割れて一息でのまれるわ 海の真ん中で出会いましょう あなたとわたし たったひとつになるのよ 狂おしい愛おしい きつく抱きあって あなたとわたし たったひとりになるのよ 確かに見ていて 深く突き刺すわ ひそやかな別れの嘘に優しいだけの花言葉を贈りたい 恐れを見せれば人を嗅ぎつけた魔物に食われるだろう どこまでも心を忘れるの あなたとわたし たったひとつになるのよ 狂おしい愛おしい きつく結ばれて あなたとわたし ...

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